燻製のおすすめの食材や初心者でもできるやり方をご紹介【変わり種も】
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難易度が高いと思われがちな燻製。しかし実際は食材によって簡単に作れるレシピも多く、必要な道具も簡単に手に入るので初心者でも挑戦しやすく、手軽にキャンプやバーベキューで本格的な燻製料理を楽しむ事ができます。今回はそんな初心者でも楽しむ事ができる燻製のやり方とオススメの食材をご紹介していきます!
おすすめの燻製機についてはこちらの記事でご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください!
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燻製とは?
燻製について
燻製とは、塩漬けした肉や魚を木材(スモークチップ等)を燃やした煙で燻して食材に特有の香りと風味をつけた料理です。本来は水分を抜く事で食材が腐るのを防ぐ保存食として燻製が作られてきました。どこの家庭にもあるハムやソーセージが代表的な燻製品としてあげられます。
保存技術の発達した現在では素材に香りと風味をつける調理法という意味合いが強く、キャンプやバーベキューで人気のアウトドア料理として親しまれています。
燻製の魅力
燻製の魅力は身近な素材でも普段と違った味わいを楽しめる事です。同じ素材であっても使用するスパイスや木材の組み合わせによって様々なアレンジが楽しめます。燻製に必要な道具は簡単に入手でき、いろいろな食材を燻製にできます。したがって、初心者でも手軽に始めやすい調理法でもありますが、工夫次第では本格的なキャンプ料理として多くの可能性があります。
燻製の種類
燻製には冷燻、温燻、熱燻の3種類の製法があります。それぞれ温度や時間で定義が分けられており、製法によって使われる食材や保存期間も違ってきます。キャンプやバーベキューでの燻製は主に温燻と熱燻がほとんどです。
冷燻
15~30度の低温で素材を燻す製法です。冷燻には大型のスモーカーと長時間の燻製時間が必要となります。また、外気温が条件温度よりも低くなければいけないので、できる季節も限られてきます。2週間~数か月かけてじっくりと燻製するため、素材の水分はほとんど抜けてドライな仕上がりとなり、長期間の保存が可能となります。代表的な料理としては生ハムやスモークサーモンなどがあります。難易度の高い燻製方法ですが、生食できる素材であれば、1時間ほど燻煙するだけでも簡単に優しい香りと風味を楽しめます。
温燻
30~80度ほどの温度で行う燻製方法です。冷燻に比べ所要時間は短く、3~5時間で燻製が作れます。保存期間は真空パックをして冷蔵庫に入れておけば数日間の保存が可能ですが、できるだけ早く食べきる事をおすすめします。
素材の水分は半分ほど残り、程よい柔らかさと豊かな風味が味わえます。例としてベーコンやロースハムがこの製法で作られますが、魚や野菜など様々な素材でこの製法が使えます。
熱燻
80度以上の高温で素材を燻煙します。30分~1時間ほど作れるので、キャンプやバーべキューでも簡単に楽しめ、最も手軽な初心者向きの製法と言えます。ただし、保存性は低いのでその場で食べる燻製となります。熱燻では素材の水分がほとんど残り、ジューシーで色づきと香りづきが良い仕上がになります。その後の過熱が必要になりますが、フライパンや中華鍋のような器があれば普通のステーキ肉も熱燻により手軽に豊かな味わいに変化させられます。
燻製づくりに必要な物
燻製器
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燻製器はキャンプに適したサイズの商品も多く市販されており、簡単に入手できます。また、密閉空間を作れれば燻製器を手作りすることや自宅にある器やフライパンも代用が可能です。市販品であればSOTO(ソト)のいぶし処など、初心者も始めやすいように様々なスモークチップとセットで販売されている商品もあります。手作りの燻製器は一斗缶やダンボールなどで作成できますが、ダンボールを使った場合は火災にならないように注意する必要があります。
燻製器と合わせて食材を乗せる網やフックを用意してください。
燻製器について詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
スモークチップ・スモークウッド
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燻製における木材はスモークチップとスモークウッドがあります。スモークチップとは乾燥させた木材を細かく砕いたもので、家庭用など小型の燻製器で短時間燻製する熱燻に適しています。対してスモークウッドは木材を細かく砕いた後に棒状に再形成したもので、着火にはある程度の時間を要します。大型の燻製器で長時間燻製する温燻に使われます。
木材には素材に香りをつける役割があり、サクラやブナ、クルミなどいろいろな種類があります。それぞれの食材に合う木材を選ぶ事が美味しい燻製作りにつながります。例えばサクラは香りが強いためクセのある肉や魚に向いていたり、香りが控えめのクルミは万能型で定番から変わり種の食材まで幅広く使えたりと、木材にもそれぞれに特徴があります。
スモークチップについて詳しく知りたい方には、以下の記事がおすすめです。
熱源
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熱源は電熱器やガスコンロ、炭火などを使用ますが、電源があれば温度調整ができるため電熱器がおすすめです。燻製づくりには温度管理も重要となるので、炭火を使う場合は温度計を使って適温を保つ必要があります。
燻製の作り方
手順①塩漬け(下ごしらえ1)
まず下ごしらえとして、素材を塩漬けにします。塩漬けには水分を抜くのと味付けの2つの役割があります。ナッツや塩サバなど下ごしらえなしでできる燻製もありますが、生から調理する肉や魚の燻製はこの過程が必須です。塩漬けには数日かかることもあるので、キャンプやバーベキューに行く日から逆算して準備をしましょう。
手順②塩抜き(下ごしらえ2)
塩漬けができたら、1時間ほど水に浸して塩抜きを行います。これは素材への塩の入り方を均一にするためです。
手順③乾燥(下ごしらえ3)
塩抜き後は風通しの良い場所で素材を乾燥させて表面の水分をどばします。この工程をしっかりと行わないと、残った水分と煙の成分が反応して酸味やえぐみの原因となります。
乾燥方法として20度以上の暖かい日や湿気の多い日は、ラップをしないまま冷蔵庫に入れて一晩乾燥させることをおすすめします。
ここまでの下ごしらえを自宅で済ませておくと良いですが、キャンプ場で乾燥させる場合はキッチンペーパーでしっかりと表面の水分をふき取ってください。
手順④燻煙
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下ごしらえが完了したら、いよいよ燻煙の工程になります。ここではキャンプ場で本格的な燻製ができる温燻法で説明をしていきます。まず、準備した食材を燻製器の中の網に置いたり、フックに吊るしたりして設置します。その下にスモークチップもしくはスモークウッドを置いて下から燻します。スモークチップを使用する場合は熱源を使用してチップを熱し、2~3時間ほど燻煙していきます。燻煙においては温度管理が重要となるため、温度計で適温を確認しながら行ってください。
手順⑤乾燥
燻煙した直後は香りとえぐみが強いので、すぐに食べるのを我慢してしばらく乾燥させます。こうして乾燥をさせることで旨味成分が凝縮して美味しい燻製に仕上がります。
燻製におすすめの定番食材5選
ベーコン
みんなが大好きなベーコンは燻製にもおすすめの定番食材です。豚バラから作ると時間がかかり難易度も高くなりますが、市販のベーコンであれば手軽に燻製ができます。扱いやすい素材だからこそ、お好みで数種類のスパイスを配合してオリジナルのレシピが作れます。スモークチップは香りを付けるならサクラやヒッコリー、素材の風味を活かすならクルミを使用します。
尚、豚バラから燻製する場合は熱燻であっても1時間近く燻して中までしっかりと火を通してください。
ゆで卵(くんたま)
おつまみとして人気のくんたまは下ごしらえに少し手間がかかりますが、燻製すればバツグンの美味しさになります。下味に数時間調味液に浸した後しっかりと乾燥させてから燻製します。めんつゆを使用すれば簡単に味付けができますが、そこにガーリックを入れたり、カレーを使ったりすればさらに香りが良くなります。
卵のゆで加減は半熟のとろりとした食感から、しっかり茹でてしっとりとした食感までお好みで調整しましょう。
くんたまに関しては、以下の記事で詳しく開設しています。
ささみ
安価に入手できて、高タンパク低カロリーな鶏のささみ。淡白なささみ肉も燻製することで香ばしい風味が得られます。脂分が少ないため、下ごしらえも比較的簡単で扱いやすい食材でもあります。使用するスモークチップはマイルドな香りのりんごチップがささみの燻製によく合います。
チーズ
手軽に燻製できることで人気のチーズ。スーパーで買った普通のチーズも燻製すれば、高級チーズにも負けない濃厚な味わいにグレードアップします。また、下ごしらえなしでそのまま燻製できるので初心者にもおすすめの食材です。
ナッツ
燻製することでナッツはさらに香ばしくなります。素材はアーモンドやカシューナッツがおすすめですが、ミックスナッツを用意すれば一度に様々な食感と風味を楽しめます。下ごしらえなしで家庭のフライパンで手軽に作れるこでも人気です。ウィスキーオークをスモークチップに使って燻製すればやさしい香りがつき、ビールやウィスキーとの相性バツグンのおつまみになります。
燻製におすすめの変わり種食材5選
牡蠣
栄養豊富で濃厚な味わいの牡蠣ですが、こちらも燻製させてワンランク上のおつまみにできます。はじめて牡蠣の燻製を作る場合は茹で牡蠣の使用をおすすめします。臭み消しにタイム、香りづけにローリエやバジルなどのスパイスを配合したソミュール液に
3~4時間浸した後に燻製し、その後乾燥させてからオリーブオイルに3日ほど漬け込めば完成です。少し手間がかかりますが、たいへん美味しい燻製ですので是非お試しください。
タコ
噛むほどに味と風味が染み出るタコの燻製。簡単に入手できて手軽に作れるので、キャンプに行く途中でタコの燻製を作りたいと思いついても素材はすぐに手に入ります。先ほどの牡蠣と同様に、ソミュール液に漬け込んでからじっくり温燻するとたいへん美味しくいただけます。もしくはタコの刺身を熱燻にて香り良く仕上げるのもキャンプ場で手軽にできるレシピとしておすすめです。
豆腐
ここで変わり種として豆腐の燻製を紹介します。豆腐の燻製はねっとりと濃厚チーズのような食感になり、それでいてチーズよりも低カロリーでヘルシー。女性にも人気の燻製レシピとなります。豆腐は水分が多いため、しっかりの水分をとってから燻製をしてください。使用する豆腐は木綿豆腐が扱いやすくおすすめです。
梅干し
もう一つ変わり種素材としておすすめしたいのが梅干しです。下ごしらえなしでもできるので、初心者も挑戦しやすい燻製です。
シソの葉を入れた調味液に漬け込めば、シソのさわやかな香りが広がる梅干し燻製になります。梅干し自体が長期保存がきく食材なので、燻製が完成してから1年以上ねかすこともできます。長くねかせればさらに風味豊かで美味しくなります。
マシュマロ
マシュマロはキャンプやバーベキューに持っていきたくなるおやつの一つですが、以外にも燻製できる変わり種の食材です。溶けてしまわないように、温度や時間に注意をする必要があるため少し難易度の高い燻製となります。しかしうまく出来上がれば、外は薫香が香ばしくカリッとした食感、中はチーズフォンデュのようなとろみのマシュマロの甘さが口に広がります。
まとめ
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難易度が高いと思われがちな燻製ですが、食材によっては簡単に作れるレシピも多くあります。必要な道具も簡単に手に入るので初心者も挑戦しやすく、以外にも手軽にキャンプやバーベキューで本格的な燻製料理が楽しめます。また煙と臭いで近隣に迷惑をかけないように注意が必要ですが、家庭で作れる燻製もたくさんあり、平日に燻製の下ごしらえをしておけば週末がより一層楽しみになるはずです。定番から変わり種まで様々な食材とスパイス、スモークチップの組み合わせにより、多種多様な燻製レシピを考えていくことも楽しみの一つです。是非次のキャンプでは燻製に挑戦してみてください。