飯盒炊爨って何?魅力・使い方・おすすめアイテム10選をご紹介!
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飯盒炊爨(はんごうすいさん)を知っていますか?この言葉だけ聞いたら何を言っているのかあまりイメージできないかと思います。でも、安心してください!この記事では、飯盒炊爨がどういうものか、魅力・使い方・おすすめアイテム10選まで紹介します!
飯盒炊爨(はんごうすいさん)って何?
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登山やキャンプで人気な飯盒炊爨。飯盒は野外でも炊き立ての美味しいご飯が味わえるだけでなく、様々な料理にも活用できる優れ物です。今回は飯盒炊爨の魅力や、やり方、人気のアイテムについてご紹介していきます。
飯盒炊爨とは?
飯盒炊爨とは、飯盒を使ってご飯を炊くことです。「爨(さん)」という字には「炊く」という意味があり、文字通りご飯を炊くことを指します。飯盒炊爨に用いる飯盒は、登山やキャンプなどに欠かせないキャンプアイテムです。
野外でも簡単にご飯が炊けることや、炊飯以外の料理にも幅広く利用できることから、持っておいて損は無いアウトドア好きに人気のアイテムです。飯盒は元々、食料を携行する為に作られた道具なので、中に小物を収納して持ち運ぶこともできます。
飯盒炊飯との違いはあるの?
似た言葉に「飯盒炊飯」がありますが、これは「飯盒炊爨」から派生したものだと考えられています。
本来は「飯盒炊爨」という言葉が正式な単語でしたが、ご飯が炊けるということから「炊飯」と混同され、「飯盒炊飯」と言う人が増えたそうです。現在キャンプ用語として「飯盒炊爨」と「飯盒炊飯」、どちらも同じ意味として扱われています。
飯盒炊爨の歴史
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飯盒炊爨の歴史は長く、もともと飯盒は軍の装備品でした。1人1人に食料を携行させるだけでなく、器や炊飯道具としても使う目的で使用されていたようです。
ヨーロッパで誕生した飯盒炊爨ですが、日本ではお米を炊くことに特化して浸透していきました。現在でも飯盒は自衛隊の装備品として使用されています。
飯盒炊爨のメリット
飯盒だけでなく、アウトドアの調理器具にはたくさんの種類があります。他の調理法とは違う、飯盒炊爨の魅力とは何でしょうか?飯盒炊爨のメリットについてご紹介します。
ふっくらとご飯が炊ける
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飯盒炊爨の魅力はなんといっても、野外で美味しいご飯が炊けること。ふっくら美味しく炊ける秘訣は、飯盒の構造にあります。
一般的に、飯盒には中蓋と外蓋が付いています。この中蓋と外蓋の2重構造によって飯盒の中にうまく圧力がかかる為、ご飯がふっくらと美味しく炊けるのです。
飯盒でお米を炊くのは火加減が難しいですが、炊飯の間は目を離さずにしっかり手順を守ることで、ふっくらと美味しいご飯を炊くことができます。
様々な料理が作れる
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飯盒炊爨では炊飯だけでなく、様々な料理を作ることができます。2重の蓋が中をしっかりと密閉してくれるので、カレーやスープなど煮込み料理もできます。
さらに、中蓋を利用することで、料理のレパートリーも増え、炒める作業と茹でる作業が同時にできるので、ナポリタンなどの麺類も簡単に作れます。2重の蓋を使って蒸し料理もできるので、冷凍の焼売や小籠包はもちろん、食後のデザートにプリンなど楽しむのはいかがでしょうか。
持ち運びや収納に便利
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飯盒にはいくつかタイプがありますが、最も一般的なのは空豆の形をしたタイプです。軍隊で用いられていた際、腰に付けやすいよう、身体の線に沿う空豆の形になったと言われています。
荷物を少なくしたい方、バックパックでキャンプに行きたい方は、腰に吊り下げて持ち運ぶのはいかがでしょうか。
飯盒炊爨は元々、食料を携行することも含まれているので、飯盒にはライターやマッチなど細々したものを収納して持ち運ぶことができます。火を起こして飯盒炊爨を行う際、火起こしに必要なアイテムがすぐに取り出せるので便利です。
飯盒炊爨のデメリット
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便利で使い勝手のいい飯盒ですが、使い続ける上で気になる点もいくつかあります。飯盒炊爨のデメリットについてご紹介していきます。
手入れが面倒
飯盒炊爨は基本的に、直火での調理です。焚き火の上で使用すると調理中にすす(煙・炎に含まれる、炭素の黒い粉末のこと)だらけになり、食べる時にすすが手や服に付かないよう、注意する必要があります。
また、火加減が難しいので、底の部分にお米が焦げ付くことも多いです。すす汚れや焦げ付きなどが避けられない為、使用後のお手入れが必要となります。
バランスが安定しない
飯盒の多くは、縦に長い形状をしています。その為、焚き火やストーブの上に置いた際、バランスが取りにくいという懸念点があります。野外は傾斜がある場所も多いので、こぼれたり倒れたりしないよう、注意して扱いましょう。
飯盒炊爨の使い方
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飯盒炊爨は火加減が難しいと言われていますが、手順通りに火加減を守りさえすれば、簡単にご飯を炊くことができます。それでは、飯盒炊爨の使い方を見ていきましょう。
①米を計量する
飯盒の蓋を使って計量することができます。一般的に、内蓋のすり切りで2合、外蓋のすり切りで3合を量ることができます。
②米を入れて浸水させる
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計量した米を飯盒に入れ、濁りが薄くなるまで研ぎます。飯盒の内側に下から2合、4合と順にメモリが付いているので、この線を目安に水を加えてください。
水を加えたら、そのまま米を浸水させます。芯が残らずふっくらと炊く為に必要な工程なので、夏場は30分、冬場は1時間程度しっかり浸水させましょう。米が全体的に白っぽくなったら浸水完了です。
③弱火にかける
飯盒を火にかけていきます。最初は弱火〜中火にして、沸騰するまで待ちます。
④吹きこぼれたら強火にする
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沸騰してしばらし、蓋から吹きこぼれたら強火にします。吹きこぼれの勢いが強いと蓋が開いてしまうので、蓋の上に重石を置き、しっかりと抑えてください。
⑤再び弱火にかける
吹きこぼれる量が少なくなり落ち着いてきたら、再び弱火に戻します。飯盒の中の水分も減り、蒸気も次第に弱くなってきます。ほのかに焦げるような匂いがしてきたら、炊き上がりです。
⑥火から下ろして蒸らす
炊き上がったら火から下ろし、蓋が開かないように注意しながら飯盒をひっくり返します。中の蒸気によってお米を蒸らすことができ、ふっくらとしたご飯が味わえます。そのまま10分ほど蒸らしたら完成です。
飯盒炊爨におすすめの料理3選
飯盒炊爨の醍醐味といえば炊き立てご飯ですが、ご飯以外にも様々な料理に使うことができます。以下では、キャンプの定番料理から意外なものまで、飯盒炊爨にオススメの料理をご紹介します。
シャケとちりめんじゃこの炊き込みご飯
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【材料】(2人分)
米 2合
水 450ml
塩鮭 1匹
ちりめんじゃこ 15g
酒 大さじ2
醤油 大さじ1
和風顆粒だし 大さじ1
ごま油 小さじ2杯
【作り方】
1. 米を研いで、飯盒に入れる
2. 酒、醤油、和風顆粒だし、ごま油を入れる
3. 2合のメモリまで水を入れる
4. 塩鮭とちりめんじゃこを乗せる
5. 飯盒炊爨の手順で米を炊く
6. 炊けたら全体をよく混ぜて完成
【おすすめコメント】
飯盒炊爨の応用レシピとして、炊き込みご飯に挑戦してみるのはいかがでしょうか。基本は、白米を炊く時と変わりません。塩鮭とちりめんじゃこの炊き込みご飯は、包丁も使わないのでとっても簡単です!
骨抜きされてない塩鮭を使用する場合は、予め骨を取り除いておきましょう。他にも鶏肉やキノコなど、お好きな具材で作ってみるのもおすすめです。
ナポリタン
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【材料】(1人分)
パスタ 80g
ピーマン 1個
玉ねぎ 1/2個
ウインナー 2本
油 適量
バター 10g
ケチャップ 大さじ3
【作り方】
1. 飯盒を使ってお湯を沸かし、パスタを茹ででおく
2. 中蓋に油を引き、薄切りにしたピーマン、玉ねぎ、ウインナーを炒める
3. 炒めた2を、別の皿に移す
4. 中蓋でバターとケチャップを温め、3を加える
5. 茹でたパスタの水気を切り、4と混ぜて炒めたら完成
【おすすめコメント】
飯盒の蓋は別々に使うこともできるので、ナポリタンのように茹でながら炒める料理も作れます。炒めるときは、中蓋をフライパン代わりにすると簡単です。ケチャップの量はお好みで調整してください。
蒸し焼売
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【材料】(1人分)
市販の焼売 適量
水 適量
クッキングシート 適量
【作り方】
1. 飯盒に水を1cmほど入れ、沸騰させる
2. 中蓋にクッキングシートを敷き、焼売を並べる
3. 中蓋を飯盒に入れ、外蓋をする
4. 中火でおよそ5分蒸したら完成
【おすすめコメント】
飯盒炊爨はご飯だけでなく、蒸し料理にも応用できます。中蓋と外蓋の二重構造により、蒸し器と同じように蒸気で蒸すことができます。小籠包や焼売、野菜など、蒸し料理は応用も効くので色々楽しめる点もオススメです。
おすすめの飯盒10選ご紹介!
魅力たっぷりの飯盒炊爨。早速やってみたい!と興味が出てきたでしょうか。飯盒はタイプや素材で使い心地も変わってきます。ぜひ、おすすめ飯盒10選の中から、お好みの飯盒を見つけてみてください。
オオイ金属 飯盒 5合
サイズ:直径17×深さ16cm
容量:2.0L
こちらの飯盒は丸形なので、洗うのがとっても簡単です。お米をたっぷり5合炊ける点も、他の飯盒にはないポイントです。アルマイト加工されているので、アルミ独特の金属臭が抑えられています。
MiliCamp(ミリキャンプ) メスティン
サイズ:16.5×9.5×6.5cm
重量:165g
容量:800mL
飯盒は英語で「メスティン」と言い、こちらの飯盒のように長方形のタイプが一般的です。また、飯盒としてだけでなく、クッカーとしても使えるのでおすすめです。水量と米のメモリがついているので、初めての方でも安心して使うことができます。
BETU メスティン 3点セット
サイズ:16×9×6cm
重量:165g
容量:800mL
こちらも同じくメスティンと呼ばれるタイプの飯盒です。飯盒本体、バット網、収納袋の3点セットでコスパの良さが魅力。ハンドル部分に断熱シリカゲルがついているので、持ち運びやすくて安心です。
Mil-Tec(ミルテック) メスキット ドイツ連邦軍タイプ
サイズ:直径10×深さ16cm
重量:460g
よりアーミー感をお求めの方には、ドイツ連邦軍タイプを模した飯盒はいかがでしょうか。機能性よりも、とにかく見た目にこだわりたい方におすすめです。
LOGOS(ロゴス) 丸型飯盒5合
サイズ:18×15.5×15.7cm
重量:380g
容量:2.6L
国産アウトドアブランドでお馴染みのロゴスからは、たっぷり5合炊ける丸型の飯盒をおすすめします。大きめの飯盒なので鍋としても使えるので便利です。丸型は安定感もあり、洗いやすいので大変人気となっています。
山善(やまぜん)メスティン
サイズ:17×9.5×6cm
重量:160
容量:850mL
メスティンタイプの飯盒をお探しの方は、コスパの優れたこちらはいかがでしょうか。アルミ製品につきものの、バリ取りをする必要もありません。本体の厚みもしっかりしていて、変形する心配もありません。まずは揃えたい、と言う方におすすめです。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) 林間丸型ハンゴー
サイズ:直径15×深さ13cm
重量:360g
アウトドアブランドで人気のキャプテンスタッグからは、コスパ最高な丸型飯盒をおすすめします。たっぷり4合炊けることはもちろん、鍋としても応用できる丸型なので使い勝手がいいです。シンプルな見た目で、手の届きやすい価格なのもポイントです。
trangia(トランギア) ラージメスティン
サイズ:17×9.5×6.2cm
重量:150g
容量:750mL
メスティンで1番人気なのは、こちらのトランギアです。飽きの来ないシンプルなデザインと、使い勝手の良さが人気です。バリ取りをする必要もなく、熱伝導のいいアルミ素材で万遍なくご飯が炊けます。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) 林間兵式飯盒
サイズ:18×11×14cm
重量:340g
容量:2.2L
アウトドアの王道メーカーであるキャプテンスタッグから、飯盒炊爨の見た目をさらに盛り上げてくれる兵式飯盒をおすすめします。軍で使われていることから「兵式」という呼び方をします。使い勝手もよく、とりあえず飯盒を揃えたいと言う方でも安心して手を出せる価格帯です。
LOGOS(ロゴス) ハンドル付き飯盒
サイズ:20.5×11.5×14cm
重量:440g
容量:2.2L
安心の国産ブランド「ロゴス」で大人気な飯盒がこちら。蓋に取っ手が付いているので、独立してフライパン代わりに使用することができます。真っ黒ではなく緑がかった色なので、ミリタリーっぽい飯盒をお探しの方にもオススメです!
まとめ
軍隊でも用いられていた飯盒炊爨は、見た目に雰囲気があるだけでなく、美味しいご飯も炊けるのが魅力的です。よりアウトドア感のあるキャンプを目指したい上級者の方は、ぜひ飯盒炊爨に挑戦してみてください!