鉄フライパン「シーズニング」を徹底解説!【初心者必見の必須お手入れ】
キャンパーの間でよく使われているアイテムに、鉄フライパンがありますよね。でも、鉄フライパンについて調べていると、必ず「シーズニング」というものを目にします。このシーズニングとは、一体どのようなものなのか、初心者でも簡単にできるのか、など気になりますよね。今回は、鉄フライパンのシーズニングの必要性や具体的な方法、鉄フライパンの日常的なお手入れのやり方などをご紹介します!
鉄フライパンとは?
参照:Amazon
鉄フライパンとは、鉄製の丈夫なフライパンのことです。
ステンレスやアルミなどのフライパンとは一味違った使い心地が人気を集めています。
また、家庭用のガスコンロはもちろん、焚き火に直接かけることもできるので、キャンプ用の調理器具として使われることも多いです。丈夫なだけでなく、熱伝導率や蓄熱率の高さといった鉄フライパンの構造も、キャンプの調理にぴったりです。
鉄という素材ゆえ、重かったりお手入れが大変だったりという情報もよく見かけますが、正しく使えば一生ものとも言われています。使いこむほどに油のなじみが良くなり、調理がしやすくなっていくのが特徴です。お手入れをしながら、どんどん使いやすく仕上げていくさまは、「鉄フライパンを育てる」と表現されることもあります。まさに自分の手で育て上げていけるところが、鉄フライパンの人気の理由とも言えるでしょう。
シーズニングは必要!
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鉄フライパンは、使用する前に必ずシーズニングが必要です。買ったら洗ってすぐに使うことができないのは、ほかの家庭用のフライパンとは違いますね。シーズニングとは、「油ならし」のことで、フライパン表面の不要な加工を取り除き、フライパンを焦げ付きにくくするためのものです。
鉄フライパンがお店に並んでいるときは、表面にサビ止めの加工がされています。まずはその加工をはずします。そして、フライパンの表面を油でコーティングをしていくことで、使用できる状態になるのです。シーズニングのために準備などが必要なので、少し手間はかかります。しかし、使い始める前のこのシーズニングの工程が、鉄フライパンを長く使うためには必須です。
鉄フライパンの焦付き原因3選!
鉄フライパンが焦付いてしまう原因を3つご紹介します。鉄フライパンは焦付きやすいと言われていますが、焦尽くのは間違った使い方をしているからかもしれません。
①油ならしが出来ていない
鉄フライパンが焦付くときにまず考えられるのが、油ならしが出来ていないということです。鉄フライパンは、テフロンなどの焦付き防止の加工はされていません。その代わりに、自分でフライパンの表面に加工を施してから使う必要があります。その加工が油ならしです。油ならしをしていないと、鉄フライパンの表面に加工がない状態なので、食材がくっついたり、焦付いたりする原因になるのです。
②洗剤を使用した
鉄フライパンを洗剤を使って洗うと、焦付く原因になることがあります。油ならしが必要なことからも分かるように、鉄フライパンを使う際には、表面に油のコーティングがされていないといけません。しかも、この油膜でできたコーティングは、繰り返し油をなじませることでどんどん良い状態になっていきます。
しかし、ここで洗剤を使ってしまうと、せっかくの油のコーティングが洗い流されてしまうのです。油膜コーティングの洗い流された鉄フライパンは、油ならしのできていない、焦付きやすいフライパンに逆戻りしてしまいます。鉄フライパンは洗剤で洗わないことが鉄則なのです。
③火力が強すぎる
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鉄フライパンを強すぎる火力にかけてしまうと焦付きの原因になることがあります。鉄フライパンは、熱伝導が良く蓄熱性も高いので、あまりに火加減が強いとすぐに食材が焦げてしまいます。そんなに火力を強くしなくてもおいしく焼けるのが鉄フライパンの良いところでもあります。火力は急に上げるのではなく、様子を見ながらゆっくり上げていきましょう。
鉄フライパンのシーズニング方法を解説!
鉄フライパンにはシーズニングが必要だとお分かりいただけたかと思います。ここで早速、鉄フライパンのシーズニングのやり方をご紹介します。鉄フライパンが今後長持ちするかどうかを左右する、使い始めの大切な工程です。手順を守ってやってみましょう!
【準備するもの】
- 中性洗剤(食器用洗剤)
- スポンジやタワシなど
- サラダ油
- キッチンペーパー
- 菜箸やトングなど
- オイルポット
まずは、シーズニングの前に必要なものをそろえましょう。と言っても、ほとんど自宅にあるものかと思います。これだけそろえたら、早速シーズニングに入りましょう。
【手順①】フライパンを洗剤で洗う
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まずは、鉄フライパンを食器用洗剤をつけたスポンジで洗います。フライパンの全体を洗った後は、きれいに洗剤を洗い流します。
【手順②】フライパンを火にかける
洗ったフライパンを火にかけます。その際煙が出るので、換気扇を強めにかけてから行うのがおすすめです。まずは中火にかけ、煙が出てきたら強火にします。火にかけていると、だんだんとフライパンが玉虫色になりますが、青色に変わるまで待ちましょう。このとき、フライパンを傾けるなどして、全体に火が行きわたるようにしてください。フライパン全体が青色に変化し、煙も止まったら、次の工程にうつります。
【手順③】フライパンを洗剤で洗う
火を止めてフライパンを冷ましたら、再びスポンジと洗剤で洗います。
【手順④】フライパンを火にかける
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フライパンを火にかけ、フライパンについている水分を飛ばしていきます。フライパンに少しでも水分が残ったまま次の工程に入るとやけどなどの原因になるので、しっかりフライパンを乾燥させましょう。
【手順⑤】フライパンに油をなじませる
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フライパンに油を入れてなじませます。使う油の量は、フライパンの半分くらいを目安にすると良いでしょう。油はサラダ油など、家にあるもので大丈夫です。火加減は弱火~中火くらいが良いです。3分くらい火にかけて、フライパン全体に油を行きわたらせましょう。
【手順⑥】余分な油を拭き取る
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全体に油がなじんだところで、油を捨てます。この油は定期的な鉄フライパンのメンテナンスに再利用できるので、一旦オイルポットなどに入れて保存しておくのがおすすめです。さらに菜箸やトングなどでキッチンペーパーを持ち、キッチンペーパーで油を全体になじませるように拭き取れば、シーズニング完了です!
【おまけ】くず野菜を炒める
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シーズニング自体は完了ですが、フライパンの鉄くささが気になる場合はくず野菜を炒めます。野菜のヘタや皮など、捨ててしまう野菜で十分です。くず野菜を炒めると、鉄フライパンの鉄のにおいが取れます。
鉄フライパンを長持ちさせるメンテナンス方法3選
「一生もの」とも言われる鉄フライパンですが、長く使うためには日頃のお手入れも重要です。お手入れをきちんとしておけば、鉄フライパンの敵である「サビ」を防ぐことも可能です。鉄フライパンのメンテナンスのやり方をご紹介します。
①たわしで表面の汚れを落とす
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たわしを使って、フライパンの表面の汚れを落とします。このとき、絶対に洗剤を使ってはいけません。洗剤を使ってしまうと、せっかくフライパンになじんだ油が落ちてしまうためです。たわしのほかにも、「ささら」という鉄フライパンのお手入れ用の道具もあります。
②水分を飛ばす
フライパン全体の汚れが落ちたら、フライパンを火にかけて水分をしっかり飛ばします。
③油を塗る
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水分を飛ばした後は、フライパンに油を塗ります。このとき、フライパンの裏側にも塗ってください。フライパンの裏側も、湿気などでサビることがあるためです。フライパン全体に塗ることで、使わない間にサビが付くのを防ぐことができます。
まとめ
鉄フライパンのシーズニングの必要性ややり方、鉄フライパンが焦付いてしまう原因、長く使い続けるためのメンテナンスの仕方などをお話しました。鉄フライパンはお手入れが大変と言われますが、実際に見てみると難しいことは必要ありません。使う度に洗剤で汚れをリセットして終わりではないからこそ、慣れてしまえば、そんなお手入れも楽しめるでしょう。
何と言っても、自分の手でフライパンを育て上げている感じが魅力的ですよね。鉄フライパンは、普段の家での調理でも使えますが、キャンプの焚き火調理もまた可能です。肉やシーフード、目玉焼きなど、キャンプ飯に彩りをそえてくれることでしょう。正しいやり方でシーズニングをして、鉄フライパンならではの料理を楽しんでください!